子どもからお年寄りまで、健康サポートのために親しまれている青汁ですが、実は青汁を飲んではいけない人もいるといいます。というのは、特定の薬を飲んでいる人が青汁を飲むと、青汁に含まれている成分の影響で、薬の効果を薄れさせたり、逆に薬の作用を強化したりすることがあるからです。
ここでは、薬の1つであるワーファリンを飲んでいる人が青汁を飲むのはNGなのかという点についてお話します。
【ワーファリンとは?】
ワーファリンとは、血液を固まりにくくする薬のことです。病院に行った時に、「血液をサラサラにするお薬です」と言って渡されるのが、このワーファリンです。
ワーファリンが必要となるのは、心臓や血管に病気があって、血液が固まりやすいという場合です。脳血栓症や心筋梗塞症、脳塞栓症、肺塞栓症、血栓症などの予防と治療に使用されます。
ワーファリンは、血液を固まらせる働きのあるビタミンKの働きを抑えることで、血液を固まりにくくする薬です。そのため、ワーファリン服用中にビタミンKが含まれる食品を食べると、ワーファリンの効果は抑えられてしまいます。ですから、ワーファリンの服用期間中は、ビタミンKを多く含む食べ物は食べないように注意する必要があります。
【青汁とワーファリン】
では、ワーファリンを服用している人は青汁を飲むのはNGなのでしょうか?
答えからお伝えすると、ワーファリン服用中は青汁を飲むのはNGです。なぜなら、青汁には大量のビタミンKが含まれているからです。ですから、青汁を飲むとワーファリンの効果を弱めてしまうことになっていまいますので、ワーファリンを服用している人は青汁を飲むのはNGとなっています。
ビタミンKを含む食品は、青汁だけではありません。次のような食品にもビタミンKは含まれています。
◆クロレラ
◆納豆
◆ホウレン草
◆明日葉
◆パセリ
◆青じそ
◆三つ葉
◆ニラ
◆ブロッコリー
◆小松菜
こうして見ると分かりますが、栄養豊富な緑黄色野菜の多くにビタミンKが含まれていることが分かります。ですから、ワーファリンを服用している人は青汁を飲まなかったとしても、これらの野菜類の摂取には注意する必要があります。
しかし、この中でも特に摂取することを控えるように言われるのは、納豆とクロレラです。クロレラは、青汁の原料としても使用されていますが、ビタミンKが大量に入っているために摂らないようにすることが必要です。納豆は、納豆に含まれている納豆菌にビタミンKをつくる作用があるので、ワーファリンと一緒に摂るのはNGになります。
【ビタミンKの働きとは?】
ワーファリンにはビタミンKの働きを抑える作用がありますが、通常ビタミンKは体内で必要とされる栄養素です。
先ほどもお話しましたように、ビタミンKには血液を固める作用があります。ですから、ケガなどで出血した時に、素早く血液を固めて止血するという大切な働きがあるのです。そのため、ビタミンKの働きを抑えるワーファリンを服用している時は、ちょっとしたケガでも血液が止まらなくなったりすることがありますから、歯の治療などでも注意が必要となります。
また、ビタミンKには骨の形成を促し、骨を強くする作用もあります。骨粗しょう症の薬にビタミンKが使用されているのはそのような理由があるのです。
このように、ビタミンKは決して邪魔者ではなく、わたし達のカラダに必要な栄養素です。ただし、心臓や血管に病気があって血栓などができやすい人は、それを予防するために血液凝固を促すビタミンKの働きを抑えることが必要になります。そのために病院で処方されるのがワーファリンです。
ですから、ワーファリンを服用している人にとっては、ビタミンKが豊富な青汁は飲むのはNGとなります。しかし、ワーファリンを服用していない人にとっては、青汁から摂られるビタミンKも貴重なものです。